映画やまんがにできて、小説には絶対できないことがひとつあって、それは「間」を作ることだなあ、といつも思っています。その反対に小説にできて映画やマンガにできないこともあるわけで、もちろんどちらがいいとかではない。媒体によって表現のしかたも人に与える影響もさまざまで構わないし、どちらも享受できる時代に住んでる自分は幸せだと思ったりするんですが…
この監督、何がすごいってやっぱりこの「何とも言えない間」だと思うんですよ。「南極料理人」の次の作品と聞いて飛びついたんだけど、予想通りでした。
どうにもゆるい主役の2人(役所公司と小栗旬:2人ともいい役者なんだなあ、ってしみじみ思ったね)と間を取り巻く人たちの、まともなんだかずれてるんだかよくわからない雰囲気が何とも言えないおかしみを醸し出していて、結局2時間ずっとにやにやしていることになる。
でもこのくらい「間」を楽しめたら、人生はたぶんもっと味わい深いものになるね。見終わった後ほんわかします。