人とうまく話せない内気なラースが恋をしたのはセックスドールのビアンカ。
この笑える設定からしてちょっとおしゃれなコメディくらいに想像していたのに見事に裏切られました。コメディーとしても作品にできたかもしれないと思うんだけど、ちょっぴりファンタジー要素が入っていながらそれでいてなかなか骨太のストーリー。やられました。
人間は一人じゃ生きらんないわ・・・そのとおりとうなずく人もいればちょっと反発したくなる人もいるだろうけど、この世界に自分ひとりでない限り他者とのかかわりというのは必ず存在する。結局それをどううまくやるかっていうのは相手をどれだけ理解して受け入れられるかなのかなあ、と映画をみながら思いました。お気楽性善説を唱えただけって言われたらそれまでだけど、いいじゃないかファンタジーなんだから!
最初は戸惑ってた周囲が、いつの間にかビアンカをきっかけにやさしくまとまっていく。癒していたようで癒されてる、教えていたはずが教えられている、与えていたはずが与えられている…ちょっと考えてみたら自分の周囲にもこんなことはあふれているはず。今日からもう少しやさしくなろう、と思ってみたり。
しかし気になってて勧められてもいたのにどうして早く見なかったんだろう・・・今年私の個人的ベスト入り確実の一本。うっかり泣きました(照)
ところでここで医師役をやっていた
パトリシア・クラークソン。すごく味があってかっこよくて前から気になる女優さんです。50になってこんな女の人になっていたい。