このDVDジャケットがすべてを物語っているというか…
ジャケで想像する通りの「ハチャメチャ」な話です。弟が読んでた少年ジャンプとかもどうにもハチャメチャなのは「なにこれ?」って斜に構える嫌な小学生だったはずなんですけどね、でもこの映画を笑って眺めていられたのは年のせいですか、それともそこらに漂うラテンの香りのせい?
メキシコの、貧しくてうだつのあがらない兄弟が人気サッカー選手になってそれで…
調子のいいラテン音楽にのっかった二人の人生のありえない激しいアップダウン。
でも作りは、特にラストの持っていきかたなんかさすがに(制作陣がすごいんです)「うまい!」と膝を打ちました。
ラスト、思わず「明日があるさ」の歌が頭に浮かんだんだけど、この二人はそれでいて全く不幸なにおいが漂ってこないんだよな。こうやって来た波にうまく乗って流される人生、それはそれで面白い。実際のところなかなか来た波に躊躇せずに乗るなんてことできませんから。
ガエル・ガルシア・ベルナルは刹那的ななところ、犬みたいに可愛い目なのにどこかちょっと狂気のナイフを隠し持ってるみたいなアンバランスがけっこう好きで出演作は全部見てるんだけど、近頃ちょっと…って思ってたらこれは見事にはまってた。